CHECK IT DAILY LIFE.
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この度、「FREAK」という時計ブランドを立ち上げる事になりました。職人と共に、時計の歴史背景やバックボーンを感じさせながら、ファッションとしての楽しさも加えて展開出来たらと考えています。
そもそも私たちは機械が好きで、とくに古い車やオートバイのエンジンの造形美には目を惹かれます。そして、機械式時計にも同じような魅力を感じます。
精巧な歯車が折り重なり、時を刻む様は、近代的なインジェクションや電池式によるエポックメイキングな新時代のモノではなく、先人たちのアナロジー的思考を受け継ぎ、キャブレターや鼓動感を感じる歴史的延長線上にあるような気がします。
「如何に明確な時間を知るか。」
紀元前約3000年から2000年にシュメール人により時計の歴史が始まったとされています。現在使われている六十進法はこの人々が用いたものです。十進法が基本の日本で生活していて、何故時計は六十と十二進法なのか、不思議ですよね。
当時の人々は月の満ち欠けが約30日のサイクルで繰り返され、それが12回で再び同じ季節が巡ってくることを知っており、太陽が地平線に顔を出し始めてから姿を現す(約2分間)を720回(12×60)で一昼夜経過することにも気づいていたそうです。ここで、12と60が大切な数字になってくるわけですね。
また、日時計もこの時期に開発されています。太陽の円周運動を利用して太陽角度の推移から、もしくは影を利用して時間を知る方法です。こちらも同じくシュメール人がいた古代バビロニアから使われていたそうで、その後古代ギリシア及びローマで改良され、完全なものが出来たそうです。
この日時計は北半球で発展したわけで、数字が進む方向は右回り。つまり時計回りなのです。日時計は南半球で使うと左回り(反時計回り)になります。
現在の時計が十二進法と六十進法。右回りであることは、紀元前3000年の先人から続く時間への「知」の積み重ねなのです。そう考えるとロマンが広がりますよねぇ~。思わず時計を見てしまいますよね(笑)
しかしですね、日時計には欠点もあります。夜は使えないんですね。時間を知りたい人類は水時計や砂時計、火時計等を開発しその時間を知ろうとしますが、正確な時間を知ることは難しかったようです。水時計や砂時計、火時計はストップウォッチのようなもので、今の時間を知ることには長けていないからです。
ゼンマイ式の懐中時計が出来たのが16世紀、振り子時計が18世紀に開発されましたが、まだまだサイズが大きく高価で、未だに砂時計も使っていたそうです。もちろん、時計の精度にも問題がありました。非常に精巧な懐中時計でも1日10分くらい誤差がでたそうです。ちなみにそれまでは1日数時間も・・・。今では考えられませんね(笑)
時計の歴史の中で、一気に精度が良くなった時期があります。1714年、イギリス議会が「1日の誤差が3秒以内の時計を作った者に2万ポンドの賞金を出す」という経度法を制定しました。
当時、砂時計で航海をしていた船乗りたち。自分の船の位置を知るためには時間を知ることが不可欠でした。しかし砂時計での航海は苦難の航海で、海難事故が多発していました。
時を知ることはイギリスが海洋国家へと成長するために必要不可欠だったのです。
これを開発したのがジョン・ハリソンという人物。大工として生計を立てていた彼が自力で製作した時計が世界を変えていきました。クロノメーターH1から始まり、1964年に発表したH5という時計は5ヶ月間で15秒しか狂わなかった。その後差は1日あたり1/14秒。素晴らしい精度を誇りました。
ハリソン H5
なお、これが海洋クロノメーターの歴史でもあります。現在はクロノメーターというと、その精度基準を指しますね。
「時計」、時を知るという歴史は、先人たちが紡いできた「知」へのロマンがあります。
時の読み方は紀元前3000年前のシュメール人から、機械式時計の基本概念は、ハリソン氏の膨大な仕事が今に続いています。
電池式のGPS機能付きで狂わない時計とは違い、如何に狂わずにその一個の個体で精度を保つかを追い求めた機械式時計。
どちらも良いものですが、私的にはどうしても嗜好性の高さは機械式時計に軍配が上がります。それはやはり、「知」へのロマンなのだと思います。
FREAKでは時計職人とタッグを組み、機械式時計へのロマンと、アパレルからのアプローチを大切に時計を製作していきます。
数ある時計ブランドの中でそのロマンを楽しみながらも、コーディネイトに合わせたり、カルチャー要素を足したり、また高級腕時計ではない価格帯を心がけ、身に着けるのに気が引ける感覚ではなく、毎日着けられる安心感とクオリティを目指しています。
まだまだ始まったばかりですが、どうぞ宜しくお願いします。