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MAGICAL DESIGN H.U氏が提案するサイドゴアブーツのサンプルがGussetに届いております☆
サイドゴアブーツというと、その名の通り靴の横側にゴア(マチ)が施されたブーツで、その街にはゴムを織り込んだ伸縮性のある素材を使うことが多いアンクル~ショート丈のブーツを指します。
サイドゴアブーツというと、何となくいろいろな呼び名がある気がしますよね。「チェルシーブーツ」という呼び名も聞いたことがあるのではないかと思います。せっかくなので、サイドゴアブーツの歴史を見てみましょう。
このブーツの歴史は古く、1830年代にイギリス・ロンドンの靴屋が、当時即位したばかりのヴィクトリア女王のために、脱ぎ履きが容易でフィット感の良いブーツを作るために考案したのが始まり。
もとはレディースからなんですね~♪
でも、ヴィクトリア女王はもちろんだったそうですが、このブーツの虜になったのは、夫のアルバート公でした。合理的思考の持ち主だったこともあり、この画期的なブーツをイギリス議会への当院時に用い始めたことから、「アルバートブーツ」の別名が生まれたりもしています。このアルバートブーツにはサイドゴアではあるものの、前方にハトメ付きのレースアップタイプも存在するようです。
サイドゴアブーツの立ち位置としては、フォーマルなブーツとして位置付けられていたことになりますね。確かに、すっきりとしていて まとまりの良い見た目と相まって、フォーマルなスタイルにもばっちりです。
こうして1940年代から徐々に浸透していったわけですが、その特性上、礼装に使われたり乗馬の際に用いられたりし始めました。フォーマルには合いますが、乗馬用とは?と思ってしまいますが、乗馬ブーツとしては「ジョッパーブーツ」というものがあります。
いわゆる足首・くるぶし・かかとにレザーストラップを巻き付けたショートブーツスタイルのものです。これは当時の乗馬用長ズボン「ジョッパーズ」の特性、上腿部は太く下腿部が極端に細いトラウザーズの下に履くためのブーツとして登場したそうです。
しかし、実はこれには諸説あるそうです。
「Jodhpur」地方を植民地支配していた時代にそこに駐留していたイギリスの陸軍武官が、現地の人々が愛用していた白の綿ズボンからヒントを得て騎馬部隊用に開発した乗馬用の長ズボンをジョッパーズと呼びそれに合わせるブーツはロングタイプのものが主流に感じます。
そのため、現代のショートブーツタイプのジョッパーブーツはポロ競技用が起源であり、後発的にこの名前が付けられたのでは?とも思います・・・。どちらも乗馬用なのでしょうが・・・。
もちろん、この名前のブーツとしてはベルトスタイルのものが王道なのでしょうが、サイドゴアブーツも合うわけです。むしろスッキリシャープに。「おれはこっちの方がいいなっ!」って思う人もいたんでしょうね。ファッションは自由ですし。(笑)
そういった背景もあって昨今では「ジョッパーブーツ」の中にもサイドゴアブーツが含まることがあります。
また、1960年代。脱ぎやすく履きやすく、しかも活動的でシンプルな表情をもつこのブーツは、ビートルズやローリングストーンズ、モッズに代表されるスウィンギングロンドンムーブメントの核となり始めます。
音楽は元より、ジェイムズ・ボンドシリーズ等の映画カルチャーでも必須のブーツになり、そのどれもがファッション的にも優れた作品で、なくてはならない存在になりました。
特に、ヒールの高さを5~6cmと高めのヒールを付けた「キューバンヒール」仕様にしたものが生まれます。これはライディングヒールとも呼ばれ、カウボーイブーツなどに装着されるヒールのことです。
そのキューバンヒール仕様のブーツはそのムーブメントの中心地区の名をとって、「チェルシーブーツ」と呼ばれるようになりました。
チェルシーブーツといえば、ビートルズですよね! スリムフィットなスーツにナロータイ。ポインテッドカラーシャツに、このチェルシーブーツというスタイルが印象的でした。
ハンブルグ下積み時代はライダースがイメージだった彼らですが、ブライアン・エプスタインがマネージャーとなり、ビートルズのイメージとしてもっとスタイリッシュにと主張した人物ですね。先に書いたようなスーツスタイルを完成させるため、バンドはアローネ&ダヴィデ(歴史的な老舗靴ブランドですね)を訪れて、キューバンヒールのチェルシーブーツ、いわゆる「ビートルブーツ」を4足注文します。
チェーシーブーツはビートルズと共に世界的な人気となります。そのスタイリッシュなデザインから、ビートルズのようなスラックススタイルはもちろん、デニムにコーデュロイにと、パンツのシルエットやコーディネイトを選ばず、様々なスタイルのなかで活躍します。
サイドゴアブーツは非常に長い歴史の中で多くの人に愛されながら、「アルバートブーツ」、「ジョッパーブーツ」、「チェルシーブーツ」、「ビートルブーツ」という兄弟たちを作りだしたわけです。サイドゴアブーツの歴史と魅力を感じますね~。
メチャクチャ長くなりましたが、MAGICAL DESIGNが提案するサイドゴアブーツ。反りあがった美しいアールを持つオリジナルの木型を用い、トゥからヒールまでをぐるりと囲むステッチが特徴的な360度グッドイヤーウェルト。ヒールのライニング部分にはホールド感の良いスウェードをあて、耐久性のあるサイドゴアと合わさって抜群のフィット感と歩きやすさを得ています。
製作はZerrow's Boots様で全作業を行っていただきますが、その際にお客様の好みを取り入れることが可能です。例えば、サイズを純正のDワイズからEワイズに変更したり、ソールをレザーソール仕様にしたり、EVAソールにスポンジソールの#2060やクレープの#1010等。他にもアッパーのレザーのカラー変更やスウェードに変更したり。
サイドゴアブーツの歴史を勉強しつつ、様々なアプローチをすると面白いですよね! ご興味のある方は是非サンプルを見に来てくださいね。
宜しくお願いします。